この記事では「AzureのIDサービスとセキュリティツール」についてお話しします。
想定読者や本記事の読み方は以下となります。
取り上げている題材
- Microsoft AzureのAZ-900の試験内容についての解説をしています。
想定読者
- これからAZ-900の試験を受けようとしている方。
- Azureの基礎を学ぼうとしている方。
この記事の読み方
- 赤字のアンダーラインは、AZ-900に合格する上で重要なポイントになるので覚える必要がある内容になります。
- 厳密性に欠ける記載が一部ありますが「まずはイメージして理解する」ことを優先して記載しています。
では、解説をはじめます。
前提知識
まずはじめに、本記事を読むうえで必要となる次の用語を覚えましょう。
- 認証
- 認可
認証(authentication)
認証というのは上記の通り、アクセスしてきた「もの」が「誰(何)」なのかを判断することです。
認可(authorization)
認証はアクセスしてきたものが誰(何)なのかを識別します。この識別の後、アクセス権を持っていればアクセスを許可することになりますが、この「権限に問題がなければアクセスを許可する」ことが認可になります。
AzureのIDサービス
AzureにおけるIDサービスとして、次の3つを説明します。
Azure Active Directory
Azure Active Directoryの説明は次の通りです。
Azure Active Directory(Azure AD)
シングルサインオン(SSO)の機能も提供する。
Internet上(クラウド上)で「誰(何)」がアクセスしてきたのかや「アクセス権は問題ないか」という認証・認可の仕組みを提供するサービスがAzure ADとなります。
Azure ADはAzureだけを対象にしたID管理サービスではなく、Microsoft365やその他のクラウドサービスのID管理システムとしても使用することができます。
そのためAzure ADでの認証をパスすることによってAzureやMicrosoft365へアクセス可能となる、つまりSSOの機能も提供してくれています。
Azure AD Connect
Azure AD Connectの説明は次の通りです。
Azure AD Connect
多くの企業や組織では、すでにオンプレ環境でActive Directory(社内のID管理サービス)を所有しているところが多いです。このような企業や組織でAzure ADを使用すると、オンプレ用とAzure用とでそれぞれユーザ情報(ID/PW)を管理する必要が出てきます。
Azure AD Connectを使用することで、オンプレのActive Directoryのユーザ情報がAzure ADへと同期されます。これにより、Azure ADでもオンプレのActive Directoryのユーザ情報で認証することが可能となります。
Azure Multi-Factor Authentication
Azure Multi-Factor Authenticationの説明は次の通りです。
Azure Multi-Factor Authentication(MFA)
多要素認証とは、次の3つの要素のうちいずれか2つ以上を組み合わせた認証のことを指します。
- ユーザが知っているもの(パスワード)
- ユーザが持っているもの(デバイス:PCやスマホなど)
- ユーザ自身(生体情報:指紋や静脈など)
この多要素認証を導入することで、Azure ADのセキュリティを高めることができます。
Azureのセキュリティツール
ここではAzureが提供するセキュリティツールの説明をしていきます。
Azure Security Center
Azure Security Centerの説明は次の通りです。
Azure Security Center
Azure Security Centerは、自分たちのAzure環境(Azureリソースの構成や設定など)がセキュリティ的に問題ないかを評価し、問題があれば改善事項を提示してくれます。
またAzure環境に対する攻撃などの脅威を検出し、アラートを上げる機能も有しています。
Azure Key Vault
Azure Key Vaultの説明は次の通りです。
Azure Key Vault
ここで言う機密情報とは次の3つを指します。
- シークレット(パスワードなどの機密情報に該当する文字列)
- キー(暗号化キー)
- 証明書(HTTPS通信を行うためのサーバ証明書)
上記の機密情報は漏洩すると大きな問題に発展するので、Azure Key Vaultを使用することで「暗号化保存」を実現し、セキュリティリスクを低減することができます。
Azure Information Protection
Azure Information Protectionの説明は次の通りです。
Azure Information Protection(AIP)
ワードなどのOfficeドキュメントや電子メールを暗号化し、第3者がアクセスできないようにすることで情報漏洩を防いでくれるサービスとなります。
Azure Advanced Thread Protection
Azure Advanced Thread Protectionの説明は次の通りです。
Azure Advanced Thread Protection(ATP)
Azure AD Identity Protection
Azure AD Identity Protectionの説明は次の通りです。
Azure AD Identity Protection
先のATPはオンプレミスのActive Directoryに対する攻撃を検知するサービスであるのに対して、Azure AD Identity ProtectionはAzure ADに対する攻撃を検知するサービスとなるので混同しないように注意が必要です。
まとめ
「AzureのIDサービスとセキュリティツール」についての解説は以上となります。
今回はたくさんのサービスがあったので1回では覚えきれない方がいると思います。1つずつでよいのでポイントを押さえて着実に理解していきましょう。
読んでいただきありがとうございました。