この記事では「クラウドの定義と利用形態」についてお話しします。
想定読者や本記事の読み方は以下となります。
取り上げている題材
- Microsoft AzureのAZ-900の試験内容についての解説をしています。
想定読者
- これからAZ-900の試験を受けようとしている方。
- Azureの基礎を学ぼうとしている方。
この記事の読み方
- 赤字のアンダーラインは、AZ-900に合格する上で重要なポイントになるので覚える必要がある内容になります。
- 厳密性に欠ける記載が一部ありますが「まずはイメージして理解する」ことを優先して記載しています。
では、解説をはじめます。
クラウドの定義について
まず、クラウドについての説明になります。
クラウドとは
ここでのポイントは「インターネット経由」でサービスを提供するというところです。
Azureが提供しているサービスとは何か
Azureはクラウドサービスの代表例となりますが、ではAzureはサービスとして「何を」提供しているのでしょうか。
Azureは、ITシステムを構築する上で必要となるサーバ・ストレージ・ネットワークなどの「ITリソース」をサービスとして提供してくれています。
これらをまとめると、Azureの説明は次のようになります。
Azureとは
代表的なクラウドサービス
Azureを含め、代表的なクラウドサービスを改めて記載しておきます。
代表的なクラウドサービス
- Microsoft Azure
- AWS(Amazon Web Services)
- GCP(Google Cloud Platform)
AzureはMicrosoftが提供しているクラウドサービスです。
同じようにAWSはAmazon、GCPはGoogleが提供しているクラウドサービスになります。
MicrosoftやAmazon、Googleなどのクラウドサービスを提供する事業者のことをクラウドサービスプロバイダ(クラウド事業者)と呼ぶのでこちらの用語は覚えましょう。
クラウドサービスプロバイダとは
オンプレミスについて
クラウドと対比する用語として「オンプレミス」という言葉もあるのでこちらも覚えましょう。
オンプレミスとは
クラウドサービスではITリソースが提供されるため、ユーザは自分たちでITリソースを用意・保有する必要はありません。
一方、オンプレミスではITリソースを「ユーザが自分たちで用意・保有する」という違いがあります。
また、クラウドサービスでは「インターネット経由」でITリソースへアクセスするのに対して、オンプレミスでは基本的に「専用線」を使ってITリソースへアクセスするので、この違いもぜひ覚えておきましょう。
クラウドの利用形態について
次に、クラウドの利用形態についての説明をしていきます。
クラウドには大きく3つの利用形態があります。
クラウドの利用形態
- パブリッククラウド
- プライベートクラウド
- ハイブリッドクラウド
それぞれについて説明していきます。
パブリッククラウド
クラウド上のITリソースを不特定多数のユーザ(企業や組織、個人など)で共用するクラウドサービスになります。
ここでのポイントはITリソースをたくさんのユーザで「共用する」というところです。
プライベートクラウド
クラウド上のITリソースを特定のユーザ(1つの企業や1つの組織など)で専用するクラウドサービスになります。
ここでのポイントはITリソースをユーザで「専用」するというところです。
パブリッククラウドとプライベートクラウドの違い
パブリッククラウドではITリソースを「共用」し、プライベートクラウドではITリソースを「専用」するという違いがあります。
この違いもぜひ押さえてください。
ハイブリッドクラウド
「ハイブリッド」という文字の通り、複数のクラウドを「組み合わせ」て使用しているクラウドのことをいいます。
組み合わせの対象としては、パブリッククラウド・プライベートクラウド、そしてオンプレミスとなります。
以下はハイブリッドクラウドの組み合わせ例です。
ハイブリッドクラウドの組み合わせ例
- パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせ(接続し)てハイブリッド環境を作る
- パブリッククラウドとオンプレミスを組み合わせ(接続し)てハイブリッド環境を作る
補足:クラウド利用形態の使い分け
パブリック・プライベート・ハイブリッドクラウドはそれぞれどのように使い分ければよいのでしょうか。
判断基準はいろいろあると思いますが、大きくは「コスト」と「セキュリティ」の観点で判断することが多いかと思います。
コスト観点での判断基準例
うちの会社はコストを最優先する方針のため、コストが一番安くなるパブリッククラウドを採用する。
セキュリティ観点での判断基準例
うちの会社はお客様の個人情報やクレジットカード情報を取り扱っている。
会社のルールとして個人情報やクレジットカード情報をクラウド上で保存することは禁止されているので、個人情報やクレジットカード情報はオンプレミスで保持し、それ以外はパブリッククラウドで保持するハイブリッドクラウドの形式を採用する。
パブリック・プライベート・ハイブリッドクラウドに関して、絶対的な観点でどれが良いというものではないです。「何を優先するか」や「守るべきルール」を考慮して適切なものを選択するということです。
上記は補足説明になるので今のタイミングで覚える必要はありません。
今後、クラウドサービスのメリット・考慮点を学んでいく中で自然と理解できるようになります。
まとめ
「クラウドの定義と利用形態」についての解説は以上となります。
クラウドを初めて学ぶ方にとっては馴染みのない考え方で理解が難しい箇所があるかと思います。
まずは、赤字のアンダーラインの箇所を覚えるようにしてください。
そして、継続的に勉強することによって自然と理解が深まってきますので引き続き一緒に頑張っていきましょう。
読んでいただきありがとうございました。