【AZ900】1日10分で合格!クラウドの特性と考慮点

az-900

この記事では「クラウドの特性と考慮点」についてお話しします。

想定読者や本記事の読み方は以下となります。

取り上げている題材

  • Microsoft AzureのAZ-900の試験内容についての解説をしています。

想定読者

  • これからAZ-900の試験を受けようとしている方。
  • Azureの基礎を学ぼうとしている方。

この記事の読み方

  • 赤字のアンダーラインは、AZ-900に合格する上で重要なポイントになるので覚える必要がある内容になります。
  • 厳密性に欠ける記載が一部ありますが「まずはイメージして理解する」ことを優先して記載しています。

では、解説をはじめます。

クラウドの特性

まず、クラウドサービスの特性(どのような性質を持っているか)についての説明になります。
クラウドサービスの特性は次の通りです。

クラウドサービスの特性

  • 資本的支出が不要
  • 安価なITリソースを提供
  • ユーザ自身でITリソースの操作が可能
  • 高可用性
  • 拡張性
  • 弾力性
  • 俊敏性

それぞれについて説明していきます。

資本的支出が不要

ここでは次の2つの用語を覚えましょう。

資本的支出(Capital Expenditure:CapEx)

サーバやNW機器などの物理的なものの購入にかかる「一時的な」費用のこと。
CapEx(キャペックス)とも呼ばれる。

運用支出(Operating Expenditure:OpEx)

サーバやNW機器などを動かすための電気代に始まりソフトウェアのライセンス料など、システム運用に必要となる「継続的な」費用のこと。
OpEx(オペックス)とも呼ばれる。

クラウドではITリソースが提供されるため、ユーザはITリソースを購入する必要はありません。
つまり、資本的支出(CapEx)が不要ということになります。

一方、クラウドから提供されるITリソースの使用料については従量課金で支払う必要があるので運用支出(OpEx)は必要ということになります。

CapExとOpExがちょっと難しいという方は、「CapExは初期費用」で「OpExは月額費用」というイメージでまずは大丈夫です。

安価なITリソースを提供

クラウドサービスプロバイダがITリソースを安く提供できる理由は大きく以下の2点となります。

  • 規模の経済
  • ITリソースの共用

それぞれについて説明します。

規模の経済

クラウドサービスプロバイダはサーバ、ストレージ、ネットワークなどのITリソースを大量購入(数百万台)するため通常購入よりもディスカウントされた値段で購入することが可能です。

商品やサービスを大量購入することで購入費用が割引されるというお話は聞いたことがあると思います。規模の経済というのはまさにそのことになります。

ITリソースの共用

「パブリッククラウド」のところで、クラウドサービスではITリソースを不特定多数のユーザと共用することをお話ししました。

ITリソースを1人のユーザで専用するのではなく、たくさんのユーザで共用することでITリソースを安価に提供ができるということになります。(1台100万円のサーバを1人で使用すると100万円必要ですが、100人で使用すると1人1万円で済むというイメージです)

ユーザ自身でITリソースの操作が可能

ここでは次の用語を覚えましょう。

オンデマンドセルフサービス

クラウドサービスが提供するITリソースや機能は、クラウドサービスプロバイダを通すことなく自分たちで操作(追加、削除や設定など)をすることができる

クラウド上のITリソースを使用する際にクラウドサービスプロバイダに都度、申請が必要となると面倒で非効率です。

オンデマンドセルフサービスによってクラウドサービスプロバイダを通すことなく、自分たちで自由にITリソースの操作をすることができます。
※オンデマンド(=必要に応じて)セルフ(=自分たちで操作できる)サービスということです。

高可用性(High Availability)

高可用性の定義は次の通りです。

高可用性

システムがダウンしてサービスが利用できなくなる時間が短いこと。

ダウンタイムが短いシステムを「高可用性なシステム」という使い方をします。

同じような意味合いに見える用語として「耐障害性」がありますが、両者は意味合いが異なるので混同しないように注意が必要です。

耐障害性(Fault Tolerance:フォールトトレランス)

障害が発生してもシステムがダウンせずに、サービスを継続利用できるようにすること。

高可用性と耐障害性は同じように見えるかもしれませんが、可用性は「停止時間をいかに短く」するか、一方の耐障害性は「稼働時間をいかに長く」するかになるので観点が異なります。
※両者ともに「冗長構成」という同じ手段をとることが多いので混同しやすいです。

拡張性(scalability:スケーラビリティ)

拡張性の定義は次の通りです。

拡張性

システムの負荷が増えた場合でも、パフォーマンス(性能)を維持させること。

パフォーマンスを維持させる方法として「スケールアウト」や「スケールアップ」があります。

スケールアウトはサーバの台数を増やすこと、スケールアウトは高性能なサーバに置き換えること(台数は増えない)で性能を維持します。

弾力性

弾力性の定義は次の通りです。

弾力性

必要に応じてITリソースを自由に拡大・縮小できること。

ここでいう拡大・縮小というのは「スケールアウト」「スケールイン」のことです。

つまり、必要に応じてITリソースを自由にスケールアウト・スケールインできることになります。

弾力性があるものとして「ゴム」がありますが、ゴムが伸び縮みできるように、ITリソースも必要に応じてスケールアウト(伸び)・スケールイン(縮み)できるということです。

俊敏性

「オンデマンドセルフサービス」により自分たちの好きなタイミングでITリソースを使用できること、そして「弾力性」によりITリソースの拡大・縮小が自由にできることをお話ししました。

でも例えば「クラウドの設定変更をしたけど、その変更が反映されるまでに1日かかる」となった場合どうでしょうか。せっかくのオンデマンドセルフサービスや弾力性のメリットが半減してしまいますよね。

つまり、オンデマンドセルフサービスや弾力性という特性は「いかに素早く実現できるか」という俊敏性を併せ持つことによって、より効力を発揮することができます。

 

クラウドの考慮点

最後に、クラウドを利用する際の考慮点をお話しします。

クラウドは基本的にインターネット経由で使用することになるので、インターネット特有のセキュリティリスクを考慮した上で使用する必要があります。

インターネットを利用するということは、次のような状態になります。

  • クラウド上のデータはインターネット上(社外)に保管される

つまり、クラウド上のデータは不正アクセスを受けるリスクがオンプレミスと比べるとどうしても高くなってしまいます。

そのため、クラウドを利用する際は会社のセキュリティポリシー(ルール)等に則り、セキュリティ対策を十分に取る必要があります。

クラウドサービスプロバイダはセキュリティ機能をユーザに提供し、ユーザは提供されたセキュリティ機能を使ってセキュリティ対策をするという役割分担でクラウドを使用していくことになります。

 

おわりに

「クラウドの特性と考慮点」についての解説は以上となります。

用語がたくさんあって覚えるのが大変だと思いますが、継続的に触れることによって自然と理解が深まってきますので引き続き一緒に頑張っていきましょう。

読んでいただきありがとうございました。

 

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