この記事では「クラウドサービスの3つのモデル」についてお話しします。
想定読者や本記事の読み方は以下となります。
取り上げている題材
- Microsoft AzureのAZ-900の試験内容についての解説をしています。
想定読者
- これからAZ-900の試験を受けようとしている方。
- Azureの基礎を学ぼうとしている方。
この記事の読み方
- 赤字のアンダーラインは、AZ-900に合格する上で重要なポイントになるので覚える必要がある内容になります。
- 厳密性に欠ける記載が一部ありますが「まずはイメージして理解する」ことを優先して記載しています。
前提知識
まずはじめに、本記事を読むうえでの前提知識を2つ説明します。
- システムの構成要素について
- 「○aaS」について
前提知識の説明が不要な方は本編へと進めてください。
システムの構成要素について
システムが一般的にどのように構成されているかを図示したものがこちらになります。
まず、サーバなどの物理的な機器であるハードウェアを用意します。そしてハードウェアの上にWindowsやLinuxなどのOSをインストールします。
OSの上にアプリケーションの実行環境となるミドルウェアをインストールし、最後にアプリケーションを載せることでシステムは構築されています。
※データはアプリケーション上で使用されるので最上部の記載です。
本記事ではこの構成図を頭に入れておくと理解しやすくなります。
「○aaS」について
本編では「○aaS」という用語がたくさん出てきます。
まず「aaS」は「as a Service」の略で、「サービスとして」という意味になります。
つまり「○aaS」は「サービスとして○を提供する」という意味合いになりますので、こちらも頭に入れたうえで本編に進んでください。
クラウドサービスの3つのモデル
クラウドでは様々なサービス(仮想マシンや仮想ネットワーク、SQLデータベースなど)が提供されていますが、これらのサービスは次の3つにモデルに分類することができます。
クラウドサービスの3つのモデル
- SaaS
- PaaS
- IaaS
それぞれについて説明していきます。
SaaS(Software as a Service)
SaaSの定義は次の通りです。
SaaS
このモデルを図で表すと次のようになります。
つまり、クラウドサービスプロバイダはハードウェア~アプリケーションまでをサービスとして提供するので、ユーザはアプリケーションで取り扱うデータのみ管理するというのがSaaSになります。
クラウドでは「誰(クラウド事業者 or ユーザ)」が「どこ(ハードウェア~アプリケーション)」に責任を持つかが重要になるので、上記の責任範囲の図はイメージできるようにしてください。
PaaS(Platform as a Service)
PaaSの定義は次の通りです。
PaaS
このモデルを図で表すと次のようになります。
※プラットフォームはアプリケーションの実行環境のことなので、図におけるミドルウェアを指します。
つまり、クラウドサービスプロバイダはハードウェア~ミドルウェアまでをサービスとして提供するので、ユーザはアプリケーション~データを管理するというのがPaaSになります。
IaaS( as a Service)
IaaSの定義は次の通りです。
IaaS
このモデルを図で表すと次のようになります。
※インフラは図におけるハードウェアを指します。
つまり、クラウドサービスプロバイダはハードウェアまでをサービスとして提供するので、ユーザはOS(ゲストOS)~データを管理するというのがIaaSになります。
おわりに
「クラウドサービスの3つのモデル」についての解説は以上となります。
SaaS、PaaS、IaaSが毎回ごっちゃになってしまうと言う方は、まずは責任範囲の図を頭でイメージできるようになってください。
また以降、Azureが提供する具体的なサービス(仮想マシンや仮想ネットワーク、SQLデータベースなど)の説明に入っていきますが、各サービスがどのサービスモデル(SaaS、PaaS、IaaS)に該当するのかという観点で勉強を進めていくとより一層理解が深まります。
今後も引き続き一緒に頑張っていきましょう。
本記事を読んでいただきありがとうございました。