【AZ900】1日10分で合格!Azureのリージョン、ジオ、可用性オプション

az-900

この記事では「リージョン、ジオおよび可用性オプション」についてお話しします。

想定読者や本記事の読み方は以下となります。

取り上げている題材

  • Microsoft AzureのAZ-900の試験内容についての解説をしています。

想定読者

  • これからAZ-900の試験を受けようとしている方。
  • Azureの基礎を学ぼうとしている方。

この記事の読み方

  • 赤字のアンダーラインは、AZ-900に合格する上で重要なポイントになるので覚える必要がある内容になります。
  • 厳密性に欠ける記載が一部ありますが「まずはイメージして理解する」ことを優先して記載しています。

では、解説をはじめます。

リージョン(地域)

リージョンの定義は次の通りです。

リージョン

地域的に近い「データセンター」の集合体のこと。

Azureでは、地域的に近い複数のデータセンターをグルーピングして「リージョン」と呼んでいます。そしてこのリージョンに仮想マシン、ネットワーク、ストレージなどのリソースを配置してAzureサービスを利用していくことになります。

リージョンが存在する理由

1つのデータセンターでは、地震などの災害によりそのデータセンターが被害を受けた場合、サービス利用ができなくなってしまいます。

そこで複数のデータセンターを用意し、リージョンという概念を作ることで可用性を高めるというのがリージョンの目的となります。

リージョンを図に表すと次のようになります。

日本には「東日本リージョン(東京、埼玉)」と「西日本リージョン(大阪)」の2つのリージョンが存在しています。そして各リージョンは複数のデータセンターで構成されています。

 

ジオ(地理)

ジオの定義は次の通りです。

ジオ

地理的に近い「リージョン」の集合体のこと。

複数の「データセンター」をグルーピングしたものがリージョンだったのに対し、複数の「リージョン」をグルーピングしたものをジオと呼びます。ジオとしては「南北アメリカ」「ヨーロッパ」「アジア太平洋」「中東およびアフリカ」が存在します。

 

可用性オプション

前述のリージョンもジオも、いかに可用性を高めるかという目的で作られています。

同じように、Azureの仮想マシン(VM)にも可用性を高めるための大切な考えがあるので併せて説明していきます。

仮想マシンの可用性を高める構成方法

  • 可用性セット
  • 可用性ゾーン

それぞれについて説明していきます。

可用性セット

ここでは仮想マシンの可用性を高めるために、VM1とVM2の2台構成にすることを考えます。
この時のデータセンター内のVM1とVM2の配置例を次の図で示します。

配置例(その1)は同じサーバ上にVM1とVM2が配置されるケースです。

仮想マシンは冗長化されているのですが、例えばサーバのメンテナンス(セキュリティパッチの適用等)が入った場合は、VM1とVM2は両方とも停止する必要があるので可用性が高いとは言えません。

では、次のケースではどうでしょうか。

配置例(その2)では別々のサーバに仮想マシンが配置されているので、サーバのメンテナンスに対しては可用性が維持できる構成になっています。

ただ別の問題として、例えば電源障害が起きた場合は同一ラック内のサーバは停止してしまうので、別々のサーバに仮想マシンが配置されていても可用性を維持することは難しくなります。

このように機器の「メンテナンス」や「障害」が発生した場合、仮想マシンの配置によっては可用性の維持が難しいことがわかります。

そこで出てくるのが次の2つの可用性の構成方法です。

  • 更新ドメイン
  • 障害ドメイン

それぞれの説明は次の通りです。

更新ドメイン

機器の更新(メンテンナンス)が発生した場合でも仮想マシンが継続利用できるように、別々の更新ドメインに仮想マシンを配置する可用性の構成方法。
更新ドメインというのは「メンテナンスが行われる範囲(メンテナンスが発生した際に停止する機器の範囲)」のことなので、更新ドメインを分けて配置というのは例えば、メンテナンスが同タイミングで発生しない別のサーバに仮想マシンを配置するというイメージになります。
 

障害ドメイン

機器の障害が発生した場合でも仮想マシンが継続利用できるように、別々の障害ドメインに仮想マシンを配置する可用性の構成方法。

障害ドメインとは「障害が発生した際に影響を受ける範囲(障害が発生した際に機器が停止する範囲)」のことなので、障害ドメインを分けて配置というのは例えば、障害の影響が及ばない別のラックに仮想マシンを配置するというイメージになります。

注意点として、更新ドメインも障害ドメインも1つのデータセンター内における可用性の構成方法になります。つまりデータセンター内の障害には可用性を維持できますが、データセンター全体に障害が発生してしまった場合には可用性を維持することが難しいということです。

これらをまとめると、可用性セットの説明は次のようになります。

可用性セット

同一センター内における仮想マシンの可用性を高める構成方法の1つ。
可用性セットには、更新ドメインと障害ドメインの2つの構成方法が存在する。

可用性セットは「同一センター内」における仮想マシンの可用性を高める方法というところがポイントになります。

 

可用性ゾーン

可用性ゾーンの説明は次の通りです。

可用性ゾーン

複数データセンターをまたいで仮想マシンを配置し、可用性を高める構成方法の1つ。

ゾーンというのはデータセンターのことという理解でまずは大丈夫です。

可用性セットが「同一センター内」であったのに対して、可用性ゾーンは「複数センターをまたいで」仮想マシンを配置するというところが両者の違いになります。

可用性ゾーンにおける仮想マシンの配置例は次のようになります。

このようにデータセンターをまたいでVM1とVM2を配置することで、仮想マシンの可用性を維持しています。

 

おわりに

「リージョン、ジオおよび可用性オプション」についての解説は以上となります。

リージョンとジオについては呼び方の問題なのでそこまで難しくなかったと思います。

ただ、可用性セット(更新ドメイン、障害ドメイン)と可用性ゾーンは複雑になるので、まずは本記事で掲載している図をご自身の中でイメージするところから始めてください。

物事の理解にはまず「イメージできるかどうか」が重要だと考えますので、今後も一緒に頑張っていきましょう。

本記事を読んでいただきありがとうございました。

 

 

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