この記事では「Azureのソリューション」についてお話しします。
想定読者や本記事の読み方は以下となります。
取り上げている題材
- Microsoft AzureのAZ-900の試験内容についての解説をしています。
想定読者
- これからAZ-900の試験を受けようとしている方。
- Azureの基礎を学ぼうとしている方。
この記事の読み方
- 赤字のアンダーラインは、AZ-900に合格する上で重要なポイントになるので覚える必要がある内容になります。
- 厳密性に欠ける記載が一部ありますが「まずはイメージして理解する」ことを優先して記載しています。
では、解説をはじめます。
IoTソリューション
IoTは「Internet of Things」の略で、様々なもの(家電や車、各種センサーなど)をインターネットに接続し有効活用することで、新しい価値やサービスを作っていこうというものです。
Azureが提供するIoTソリューションには次のものがあります。
Azure IoT Hub
Azure IoT Hubの説明は次の通りです。
Azure IoT Hub
また、IoTデバイスからのメッセージをクラウドサービスへと中継する機能も提供する。
IoT Hubは、まずネットワークに接続可能なIoTデバイスを事前に登録する機能を提供します。また、接続してきたIoTデバイスが事前登録されたデバイスかどうかを識別する認証機能も有しています。
上記2つの機能に併せて、IoTデバイスから送信されたメッセージをその他のクラウドサービス(メッセージを処理するサービスなど)へ中継する機能も提供してくれます。
Azure IoT Central
Azure IoT Centralの説明は次の通りです。
Azure IoT Central
IoTデバイスから受け取ったメッセージを「蓄積」したり「可視化」したり、特定のメッセージを受け取った際にアラートを上げる(監視)など、IoT Hubより幅広い機能を提供してくれる点がIoT Hubとの違いとなります。
ビッグデータソリューション
ビッグデータとは、全体を把握することが困難となるくらいの大量のデータのことです。(一般的には「Volume(量)」「Variety(多種多様)」「Velocity(速度・頻度)」と呼ばれる3つのVを高いレベルで備えているデータのこと)
このビッグデータを活用するためのAzureソリューションとしては次のものがあります。
Azure Data Lake
Azure Data Lakeの説明は次の通りです。
Azure Data Lake
先に説明したIoT Hubなどで収集したデータは、「処理」することに適していない「非構造化データ」であることが多いです。この非構造化データである生のデータを保管するためのサービスがAzure Data Lakeサービスとなります。
Azure Synapse Analytics
Azure Synapse Analyticsの説明は次の通りです。
Azure Synapse Analytics(旧:Azure SQL Data Warehouse)
Azure Data Lakeに保存された生のデータを「処理」しやすいように加工し、構造化データとして格納したものというイメージで問題ありません。
Azure HDInsight
Azure HDInsightの説明は次の通りです。
Azure HDInsight
ビッグデータ(大量のデータ)を高速に処理するためには、高い処理能力を持つコンピュータが必要になります。また、高い処理能力を持つコンピュータを用意する方法としては大きく次の2つの方法があります。
- スケールアップ方式(1台の高性能なコンピュータを用意)
- スケールアウト方式(複数台のコンピュータを用意)
Azure HDInsightは、スケールアウト方式を使用した分散処理の仕組みを提供してくれるサービスです。
Azure Synapse Analyticsなどでは大量のデータを加工するために大量のマシンパワーを必要としますが、このマシンパワーをAzure HDInsightで提供するというイメージで問題ありません。
AIソリューション
機械学習によるAI(人工知能)を提供するサービス例としては次のものがあります。
- Azure Machine Learning
- Azure Machine Learning Studio
Machine LearningとMachine Learningu Studioの違い
まず機械学習とは、大量のデータの中からルールや法則性を発見する方法のことです。
そして両者共に機械学習を提供するサービスとなります。Azure Machine LearningはPythonなどのコーディングが必要となりますが、Azure Machine Learning Studioはコーディングが不要でフローチャートにより機械学習を実施することができます。
なので、両者の違いとしては「コーディングが必要か不要か」という理解で問題ありません。
補足:IoT、ビッグデータ、AIソリューションの関係性
今までのところで、IoT・ビッグデータ・AIソリューションについて説明してきました。
これらの各サービスを個別のものとして覚えようとすると量が多く大変なので、次のイメージ図で一連の流れとすることで少しでも覚えやすくしましょう。
まず、IoTデバイス(家電や車、各種センサーなど)からの情報を収集するサービスとしてIoT HubやIoT CentralなどのIoTソリューションが存在します。
次に、IoTデバイスから収集した大量のデータを保存する必要がありますが、保存先のサービスとして使用するのがData LakeやSynapse Analyticsなどのビッグデータソリューションになります。また、大量のデータを処理するのに必要となるマシンパワーはHDInsightという分散処理サービスを使用します。
最後に、大量のデータ(ビッグデータ)を有効活用するための機械学習サービスとしてMachine LearningなどのAIソリューションが存在するということです。
このように一連の流れとすることで少しでも覚える負担を少なくしていきましょう。
サーバレスコンピューティング
サーバレスコンピューティングとは、サーバを意識する必要がなくコンピュータの処理能力だけを提供するサービスのことです。
サーバレスコンピューティングのサービスとして以前Azure Functionsを説明しましたが、ここではもう1つ別のサービスを説明します
Azure Logic Apps
Azure Logic Appsの説明は次の通りです。
Azure Logic Apps
ワークフローなどを使用することで、ノーコードによるアプリケーション開発を可能としています。
まとめ
「Azureのソリューション」についての解説は以上となります。
IoT・ビッグデータ・AIソリューションとサービスが多く覚えるのが大変だと思いますが、「IoT、ビッグデータ、AIソリューションの関係性」のところで説明した図をまずは頭に入れましょう。
読んでいただきありがとうございました。